人間ドックコースリニューアル・新健診センター開設

ホスピタル

当院の人間ドック・健診は以前より近隣企業や地域の皆様にご利用いただいておりますが、受診者様のニーズに応え、昨年度より各種コースやオプション検査の拡充を行ってきました。今回はそれについて紹介させていただきます。

1.心臓ドック

血管の異常や突然死の原因となる狭心症や心筋梗塞が起こるリスクを調べることができます。動脈硬化が心配な方、心臓病の家族歴がある方、高血圧・脂質異常症・糖尿病・肥満などの生活習慣病がある方、飲酒・喫煙習慣のある方、ストレスの多い生活をしている方にお勧めです。

採血や心電図、レントゲン等基本的な項目に加え、心エコーや頚動脈エコー、心臓を栄養する冠動脈の石灰化を調べる冠動脈カルシウムスコア検査が含まれており、充実した内容になっております。結果は日本循環器学会認定専門医が評価しますので、安心です。

脳ドックと組み合わせることも可能です。動脈硬化は心臓だけでなく、全身に起こりますので、脳ドックと併せて受診することで、ご自身の血管疾患のリスクを知ることができます。一般的な人間ドックである、日帰り基本コースに追加することも可能です。

2.すい臓ドック

日本のすい臓がん患者は30年前の10倍以上に増加しています。厚生労働省のがんの部位死亡数統計によると男性で5位、女性で3位となっています(表)。すい臓がんは自覚症状が現れにくく、進行が早いため、かなり進行した状態で発見される方も少なくありません。手術で切除できるのは4割程度と、非常に治療の難しいがんといえます。このため早期発見が重要です。

すい臓ドックではすい酵素や腫瘍マーカーを含めた採血に加え、MRI検査(MRCP)を用いてすい臓の評価をします。腫瘍そのものだけでなく、がんのリスク因子である慢性すい炎やすい嚢胞、すい管の拡張、胆管・胆のうの異常なども発見可能です。結果は日本膵臓学会認定指導医が直接説明いたします。MRI検査を含むすい臓ドックが受けられる施設は少なく、受診者様から好評をいただいております。

すい臓がんの家族歴のある方、糖尿病・肥満・飲酒喫煙習慣・急性および慢性すい炎や膵嚢胞の既往がある方におすすめです。

3.大腸ドック

厚生労働省の人口動態統計における、がんの部位別死亡数によると男性で2位、女性で1位と非常に頻度の高いがんとなっています(表)。しかし、膵がんよりは治りやすいがんです。腫瘍マーカーを含む採血検査等に加え、大腸内視鏡検査を行い、大腸全体を詳しく観察します。

早期がんや大腸ポリープは無症状のことが多く、便潜血検査では早期がんの1/3以上、やや進行した進行がんの14%では陰性になるといわれています。このため内視鏡検査を受けないと見逃される病変もあり、初めて大腸内視鏡を受ける方の40%以上にポリープが見つかります。

日本消化器内視鏡学会専門医が多く在籍し、鎮静剤を使用した苦痛が少なく、質の高い検査を行っています(鎮静剤は使用しないことも可能です)。40~50歳代以上の方、ご親族に大腸がんやポリープの罹患歴がある方にお勧めします。

4.2日ドック(ベーシック・プレミアム)

日帰りドック基本コースに脳ドックや大腸ドックなどの項目を追加した特別コースです。

全身をくまなく調べたい、自分でコース・オプション検査を選択するのが面倒という方にお勧めです。細かい検査項目についてはホームページをご覧ください。

以上紹介させていただきました。ドック受診時の参考にしていただければ幸いです。

また2025年夏に新健診センターを開設予定です。院内移動や待ち時間の短縮等受診者様のホスピタリティ向上のため、スタッフ一同尽力いたします。皆様のご受診をお待ちしております。

がん部位別死亡数順位 データ出典:厚生労働省「人口動態統計(2022年)」、国立がん研究センター「がん情報サービス」

検診部副部長兼消化器内科 中岡 宙子

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