新任副部長自己紹介 平岡毅大

7月より大森赤十字病院の副診療部長を拝命いたしました平岡毅大と申します。
私は、2010年に東京大学医学部医学科を卒業し、その後、東京大学産婦人科学教室に入局しました。さらに公立昭和病院、北里大学病院、東京大学医学部附属病院などで経験を積み、ここで、周産期医療や腹腔鏡手術の研鑽を積みました。専門分野は生殖医療と腹腔鏡手術です。東京大学で医学博士を取得しております。

私は当院で婦人科良性疾患の腹腔鏡下手術を重点的に展開したいと思っております。たとえば、子宮筋腫や卵巣嚢腫などに関しては、患者さんへの負担を軽減し、できるだけ早く回復していただけるよう尽力しています。また、東京大学医学部附属病院時代には月経困難症を引き起こす疾患である子宮内膜症や子宮腺筋症の専門外来を担当し、女性の悩みを共有し、患者さん一人一人に寄り添った治療を提供することの大切さを学びました。当院でも、月経困難はもちろんのこと、患者さんが抱える不安や悩みを少しでも軽くできるよう、日々診療に励んでおりますので、何かお困りのことがあればぜひご相談にいらしてください。
私は、大阪府大阪市で生まれ、兵庫県西宮市で育ちました。大学から東京に移り住みましたが、医師免許取得後、産婦人科医としての臨床経験の中で、大阪大学に研究留学をする機会がありました。留学先では、着床に関する研究に従事しておりました。大阪での3年間、日々関西弁に囲まれ、少し忘れていた関西弁がよみがえり、東京に戻った今でも時々関西弁が出ることがあります。関西出身の方と会話が弾むことも多く、ふるさとの思い出がよみがえります。私自身、医師としてだけでなく、こうした個人的な経験も大切にしており、患者さんとのコミュニケーションに活かしています。患者さんがリラックスして話せる環境を作り、心から信頼してもらえる医師でありたいと考えています。
趣味としては、普段の忙しい仕事の合間に、映画や音楽を楽しんだり、休日には散歩をしてリフレッシュすることが多いです。最近では美味しい食べ物巡りが楽しみの一つになっています。
今後、さらに患者さんにとって信頼される医師であり続け、地域に密着した医療に貢献できるように努めていきます。大森赤十字病院での新しいスタートを切るにあたり、皆様とのご縁を大切にしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
院長よりの研究紹介

平岡先生の大阪大学での「着床に関する研究」は、(ご本人はさらっと流してますが)、世界的に注目を集めるような素晴らしい成果をあげられました。研究成果は、2025年7月1日(火)に英国科学誌「ネイチャーコミュニケーションズ(Nature Communications)」(オンライン)に掲載され、このニュースは、瞬く間に、朝日新聞、日経新聞など各紙で大きく取り上げられました。着床不全が起こる仕組みの一つを明らかにしたもので、不妊症の新規診断・治療法の開発につながることが期待されています。
タイトル:“An ex vivo uterine system captures implantation, embryogenesis, and trophoblast invasion via maternal-embryonic signaling”
著者名:Takehiro Hiraoka, Shizu Aikawa, Daisuke Mashiko, Tatsuya Nakagawa, Hiroki Shirai, Yasushi Hirota, Hiroshi Kimura, Masahito Ikawa