部長自己紹介 消化器内科部長 兼 内視鏡部部長 千葉秀幸

ホスピタル

皆様、こんにちは。

私は東京生まれですが、2004年に金沢大学医学部を卒業し、横浜市大の研修ローテーション後に、同大学の消化器内科の医局に入りました。その後、神奈川県内の関連施設で研修し2008年よりNTT東日本関東病院で4年間勤務し、そこで培った内視鏡診療を中心とした経験を生かすべく、2012年から大森赤十字病院の消化器内科へ異動してきました。

私が得意としている領域は主に内視鏡を用いたものです。胃カメラといえば、昔は、受ける患者さんがゲーゲーしながら、誰が見てもわかるような大きくなってしまった病変をみつけて組織を採取して、しかるべき内科的な治療(薬の処方)や、場合によっては外科手術への橋渡しをする役目が主でした。

最近は、違います。まず、鎮静剤というウトウトと眠くなる点滴を用いることで、知らないうちにほとんどの検査が終わってしまい、そこで見つける癌は数㎜くらいの微小なものから大きなものまで、必要があれば、同時に病変を100倍程度まで拡大して精密な検査をすることまで可能となりました。

そういった通常検査よりも長時間かかる精密検査を受け終わっているのに、検査後に「検査はいつ始まるのですか?え、終わったんですか?」というやり取りがしばしば起こります。

寝ているうちに病気の診断のみならず、最近では大きな早期癌であっても切除(ESDという内視鏡手術)が終わってしまいます。以前なら胃や大腸、食道を切除しないと治らなかった早期癌の多くが、その臓器を残したまま治癒させることができるようになりました。

最近ではご高齢の方も増えているため、手術の安全面にも最大限配慮しています。当院には、全国から早期癌で悩んでいる多くの患者さんのご相談をいただいておりますが、当科が“早期癌治療の最後の砦”となりたいという気持ちで日々全力で診療しています。

もちろんすべての早期癌が内視鏡で切除ができるわけではないので、全国から集まる精鋭医師たちとともに全症例に対してカンファレンスを行い相談をしています。そして、時に手術が必要なケースもありますので外科医との密な連携は必須ですが、当院には信頼のできる外科医が多く在籍していますのでこの点もご安心ください。

消化器のがんで臓器を失わない・命を縮めないために、一番大切なことは、“症状が出る前に相談して、質の高い検査を受けること”です。

症状(腹痛、出血、体重減少など)が出てからでは、多くのがんが進行していますので、会社の検診、区の検診は積極的に検査を受けた方がいいですし、ご家族に癌の方が多い場合にもぜひ一度相談ください。

最後に、2025年春には内視鏡センターが新設予定です。センター構想を掲げて10年くらいかかりましたが、ようやく実を結びます。当院で内視鏡検査・治療を受けていただく患者さん、ご家族にとって快適で安心、そして最高な診療を提供できるように内視鏡スタッフ一同頑張りたいと思います。

消化器内科部長 兼 内視鏡部部長 千葉秀幸

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