研修医レクチャー 心臓血管外科編2023
ホスピタル
研修医へ診療技量や知識のレクチャー
大森赤十字病院では研修医を対象に診療技量や知識の向上を目的に、各診療科からレクチャーを行なっています。
その中で、心臓血管外科は毎年ブタの心臓をもちいて心臓解剖実習を行なっています。心臓の解剖については医学生時代に実習は行われており、基本的に勉強済みなのですが、いざ医師免許を取得して臨床の場に出ると、あれはどうなっているんだろう、など疑問点が出てきます。しかし心臓血管外科を目指す以外、実際に心臓を目で見る機会がありません。
循環器内科医を目指す若い先生にとっては、今後心エコーやカテーテル検査/治療を行うのに、もう一度心臓の解剖知識を補完することで診療に還元できるいい機会となります。そして、看護師、薬剤師、リハビリなどパラメディカルにも実習はやりませんが見学という形で参加できる様にしています。
11月9日大森赤十字病院 実習
11月9日大森赤十字病院 講堂にて実習が行われました。
二人一組に対し、一つの心臓で行います。まず、冠動脈の解剖から始まり、心房の構造、三尖弁、僧帽弁の構造、中隔の構造など、一通り教科書レベルの知識をおさらいしていきます。左右心室に筋肉の厚さの違いや僧帽弁につく腱索の違い、左右の心耳には柵状の構造をしており、ここに血栓がつきやすいことや、卵円窩は薄くて反対側から指が透けて見えるなど、一般診療の検査ではなかなか知ることのできない部位を実際に見て学びます。
そして、最後は心臓外科の実習ということで、人工弁を使用した大動脈弁置換を行います。心臓外科とならない限りはやらない手技です。持針器や針糸の扱いに悪戦苦闘しながらも、皆真剣に取り組んでいました。最後は針や衛生材料を分別して片付けて終了です。
こういった機会は、教える側も新しい気づきがあります。また、来年も開催予定にしています。