フットケアは、透析患者さんにとっても大切です

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大森赤十字病院の透析室では、毎月フットケアを行っています。

「腎臓なのになぜ足?」と思われるかもしれません。

その理由は、透析の患者さんは、1日おきに通院しなければいけませんし、また、腎臓以外に脳、心臓、足の血管の病気が進みやすくなっているからです。

動脈硬化のイメージ

腎臓病では、高血圧や糖尿病を合併していることが多く動脈硬化が進みやすくなっています。さらに、腎不全によりカルシウムやリンのバランスがうまくいかなくなり、異所性石灰化とよばれる動脈硬化もみられます。

動脈は体中に張り巡らされていて、ほんの小さな足の傷や深爪、水虫によるびらん、角化した足の亀裂から細菌が侵入して足が腫れて大きな潰瘍が出来たり、骨にまで細菌感染を生じることがあります。動脈硬化が進んでいると抗生物質や栄養、酸素も届きにくくなり治療に難渋します。当院では、足の病変が難治の時には、適応をよく判断して「レオカーナ」という体外循環治療も行っています。

毎月フットケアを行うことで、少しでも足を大切にしていけるように頑張っています。

足のケアは、透析のスタッフが行っています。問題があれば、皮膚科、整形外科、糖尿病内科、循環器内科に相談しています。

透析の患者さんで足に興味がある方は、外来に来ていただきご相談ください。

簡単な検査入院(ABI、下肢動脈エコー、心エコー、栄養指導など)も用意しています。

腎臓内科部長 澁谷研

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