青ヶ島への巡回診療

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当院では、昭和40年から東京都からの委託で巡回島診療を実施(整形外科)。
現在では年1回ずつ、青ヶ島と御蔵島で外来診療を行っています。

青ヶ島について

2023 年 5 月 24~26 日、放射線技師、理学療法士、私の 3 名で 2 泊 3 日の青ヶ島巡回診療を行いました。
青ヶ島は太平洋に突き出た火山島であり、島一周断崖絶壁に囲まれています。アクセス方法はヘリコプターか船ですが、ヘリコプターは 1 日 1 往復のみで各便 9 人しか搭乗できず、船は欠航が多いそうです。今回私たちはヘリコプターを利用しましたが、運よく天候に恵まれ、定刻通りの発着でした。

島の特徴であるカルデラの内側には生活用水が届いておらず、人が住めないそうです。島の特産品はさつまいもと麦麴から作られる焼酎「青酎」や海水を地熱で精製した「ひんぎゃの塩」などです。地面に横たわるだけでも十分温かく、昼寝している方もいました。また別府の地獄蒸しのような蒸気を利用した調理設備を自由に使える場所もあります。

島民の住宅はカルデラの外輪山外の比較的平坦な場所に集中しています。しかし実際に歩くと坂道が多く、生活には車が必須という印象でした。島の最高峰は大凸部(おおとんぶ)と呼ばれる場所で標高 423m です。最終日には派遣スタッフ 3 名で登頂し、米国環境保護 NGOが発表した「死ぬまでに見るべき絶景 13」に日本で唯一選ばれた絶景を拝むことができました。宿泊した民宿からは片道徒歩 20 分程度であり、軽い筋肉痛程度で済みました。

診療について

本巡回診療は当院では昭和 40 年から毎年行っている、伝統行事です。
青ヶ島の普段の診療所は医師 1 人と看護師 1 人で 24 時間 365 日オンコール体制となり、全ての疾患に対応されていますが、この巡回診療では、整形外科領域の専門診療を行っています。また、歯科・耳鼻科などの専門領域の診療も、他院からの派遣で定期的に行われているようです。

今回の診療の症例の内訳としては、高齢の方の膝や腰の変性疾患、島外から派遣された労働者の腰痛や肩関節痛、またバレーボール大会の練習での外傷などでした。いずれも投薬以外の治療は日常的にできないため、運動習慣などによる予防の必要性を実感しました。そのため今回から派遣されることになった理学療法士は重要な役割をなしており、ほとんどの症例で治療介入をしていただきました。

最後に

診療や生活において現地の医療スタッフや役場の職員など多くの方々にご協力をいただきました。離島医療に触れることで普段の環境がいかに恵まれているかを実感でき、勉強させていただきました。巡回診療を継続することが青ヶ島の手助けになれば幸いです。

整形外科 奥村諒輔

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