新任部長自己紹介 薬剤部長 本多秀俊

ホスピタル

ヘルスケア・エッセンスをご覧の皆様、こんにちは。

2024年1月より大森赤十字病院薬剤部長を拝命しました本多秀俊と申します。私は1998年に東京薬科大学を卒業後、東京大学医学部附属病院で研修生として1年間研修し、以降18年間東大病院薬剤部に勤務しておりました。その後東京逓信病院で7年弱勤務し、この度ご縁をいただき、当院に勤務させていただくこととなりました。

趣味は書道をたしなむ程度です(弟が都内で書道教室をしています)。

突然ですが、皆さんは薬剤師法第1条をご存じでしょうか。そこには「薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保するものとする」とあります。

調剤や医薬品供給は主要な業務ですが、法律が制定されて60年以上が経過した今、条文にある「その他薬事衛生」の「その他」についても、担うべき重要な業務は多岐にわたり、また社会ニーズの変化に伴い、常時変化しています。

薬剤部の業務内容については「病院ホームページの薬剤部紹介」をぜひご覧ください。

近年、地域包括ケアシステムの構築が進む中、「その他」の業務としてMedication reconciliation(メディケーション・レコンシリエーション)があります。これは患者さんが入院や退院する際、別の病院、療養施設へ転院する際など、ケア移行前後の正確な投薬状況を確認し、変更や継続について評価、情報提供するものです。ケア移行時のメディケーションエラーの半分以上は薬剤関連との報告もあるため、薬剤師が関与し、医師、看護師をはじめ多職種と協働する必要性が高まっています。

当院でも入院時には持参薬確認をはじめ、お薬手帳や紹介状の確認、患者さんや患者家族からの聞き取りなどから服薬状況を把握し、入院中の手術など治療計画に基づいた服薬継続の可否について医師等に情報提供しています。また、退院時には必要に応じ入院中の使用薬剤や服薬状況などを記載した薬剤管理サマリーを作成し、かかりつけ薬局に渡すよう患者さんに交付しています。がん化学療法で通院治療している患者さんにはトレーシングレポートを薬局宛に交付し、薬局から返送されたレポートを医師へフィードバックしています。しかし、これらの取り組みはまだまだ道半ばであり、今後積極的に取り組んでいきたいと考えています。

これら患者情報を正確かつ詳細に取得、共有するための有効な手段として、昨今進められている医療DX、デジタル化が重要かと思います。電子処方箋、マイナンバーカードの健康保険証利用による薬剤情報の取得、確認の有効活用が期待されます。

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今後は薬剤業務においてもAI等デジタル技術を活用した処方監査や調剤監査、医薬品情報提供など業務の効率化、質の向上に取組み、薬剤師がより患者さん個々の医薬品の有効性や安全性を適切に見極め、最適な薬物療法が提供できるよう努めてまいります。

薬剤部長 本多秀俊

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