一人ひとりに寄り添い安心できる乳がん治療を〜検査・診断から治療・乳房再建まで〜
当院の乳腺外科では、2024年5月より常勤1名・非常勤1名の乳腺専門医が、乳房のさまざまな症状(しこり、痛み、分泌など)や乳癌を中心とした乳腺疾患全般に対する診療を行っております。
安心して診療を受けて頂けるよう、ガイドラインに沿った『標準化治療』と一人ひとりに寄りそう『個別化治療』の両立を心がけ尽力して参ります。
乳腺疾患について
乳腺疾患の代表ともいえる乳癌ですが、女性の乳癌罹患数(乳癌であると診断される人の数)や乳癌罹患リスク(一生のうちに乳癌になる確率)は年々増加の一途をたどっています。
また、40歳から60歳に発見されることが多い乳癌ですが、近年は若年性乳癌や高齢者乳癌の患者さんも増え、『何歳でもなりうる癌』となってきました。2019年の全国統計では97000人を超え、生涯罹患リスクは10.6%(=日本人女性の9人に1人)となっています。
一方で、乳房・乳腺に生じる疾患には良性のものも多く存在しますが、自分自身で良性なのか悪性なのかを判断するのは困難です。今までにはなかった乳房の症状に気が付いたら、ぜひお気軽にご相談ください。
乳癌の診療
乳癌の治療方針は、癌の進行度やサブタイプ分類、閉経状態や年齢などの医学的診断を基に、個人の価値観や生活リズムなどを総合的に考慮し決定していきます。
複数の治療法を組み合わせて行うことが一般的ですが、当院では専門の医師・看護師・薬剤師などの担当スタッフが協働し、一人ひとりに寄りそう治療方針をご提案できるよう心がけております。
乳房再建について
2017年にからインプラント(エキスパンダー)による乳房再建が保険適応となり、乳癌の手術療法を受ける際に人工物による乳房再建という選択肢が選べるようになりました。
乳房再建方法には、乳癌手術と同時に行う一次再建と乳癌手術後に一定期間経過してから行う二次再建があり、乳腺外科専門医と形成外科専門医が連携して施行します。
BRCA遺伝子検査について
遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)の原因となるBRCA1/2遺伝子の病的変異(バリアント)ですが、PARP阻害薬の適応拡大に伴い、転移再発乳癌症例だけではなく一定の条件を満たす早期乳癌症例に対しても、保険適応での検査が行えるようになりました。
日進月歩の乳癌診療分野では、分子標的薬や免疫チェックポイント阻害薬などの新薬が次々と承認されており、個々の症例に対して適切な治療方針を決定するために、必要不可欠な検査となっています。
※施設認定について
保険適応のティシューエキスパンダーおよびブレストインプラントを利用した乳房再建、およびBRCA遺伝子検査には施設認定が必要となります。
当院では施設認定を取得し、乳癌診療における『標準化治療』と『個別化治療』の両立を目指した診療を展開しております。
乳がん等の詳しい内容については、ホームページをご確認ください。