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がん予防に検診を活用してみませんか(シリーズ1/6)「1.インターネットやSNSで得た情報って正しいの?」

がん予防に健診を①
トピック

日本で生涯に何らかのがんに罹患する人の割合は、今や2人に1人となっていると推計されています。がんは加齢に伴って発症しやすくなる、細胞の老化現象の一つとも言われていますが、生活習慣病としての側面も持っています。老化現象としてとらえると、がんにならない予防法は無いと言えますが、生活習慣病の一つと考えると、多少なりとも発症を押さえられる可能性がある、と考えることもできます。

これからがん予防検診について6回にわけて解説します。

1.インターネットやSNSで得た情報って正しいの?

せっかくのインターネットやSNSの情報を正しく使えていますか?

今やフェイクニュースって多いですよね。令和6年能登半島地震でも、数多くの偽情報や詐欺情報が氾濫しています。全国紙が報道した自販機強盗のニュースが、翌日の地元紙で否定されたことをご存じですか。これは裏付け捜査なしでの目撃情報だけで報道したケースでしたが、中には広告収入目当ての偽ニュース、いたずら目的でありもしない住所への救助要請のSNSへの投稿や、中にはこの地震が人工的に引き起こされたものだというような科学的根拠のない情報など。便利なはずのインターネットが、偽情報・間違い情報で埋め尽くされて、正しい情報を見つけるのが本当に大変です。

間違った情報はメディアで報道されず、「私だけが見つけたすごい情報」であって、最初は「こんな情報はうそだろう」から始まって、同じような情報がないかを検索すると、次々に同じ情報がヒットすることで、「もしかしたら本当かもしれない」から、「本当の情報、国民に知られたら大変な情報だから隠してあるんだ」となって、偽情報の信者になってしまうことが、研究からわかっています。

そのような情報の発信元は巧妙に隠されていたり、著明な研究者だったり、〇〇大学の教授の名前が使われていることもあります。

正しい情報を得るためには、取り上げられた情報をそのまま受け入れるのではなく、その情報の根拠となった元情報がどこから発信されたものかを確認し、更には、その情報を正しく評価された情報かどうかを検証する必要があります。

有名なインフルエンサーが提示した情報でも、元情報をたどると、医学的な根拠のない誰かの独自理論であったり、英文の論文が示されていても、その解釈が間違っていることがあります。一般の方にとっては、医学論文の解釈が正しいかどうかを判断するのは難しいので、その判断は専門家に任せてしまいましょう。

その場合の『専門家』とは、1人の人物ではありません。専門的な研究の中で、一番信頼性が低いのが、『ある専門家の意見』です。

逆に、一般の人が手に入って一番信頼性が高いものは、専門学会から発表された『ガイドライン』でしょう。最もエビデンスのレベルの高い研究は、医学的に信頼できる論文をいくつも調べて、数万人~場合によっては数十万人規模の人から得られたデータを元にして作られています。

―続く―

健診部長 神原かおり

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