スペシャリストナースのつぶやき③集中ケア認定看護師より「ICUってどんなところ?」
私は集中ケア認定看護師という資格を持ち、現在ICUで働いています。
集中ケア認定看護師は、集中治療を必要とする重症患者さんやご家族への看護に関する専門的な知識と技術を持ち、実際に患者さんに看護を提供したり、集中治療に携わる看護師の育成を行う役割があります。
集中治療と聞いても、どんな治療や看護が行われるのかイメージがつきにくい方もいるかもしれません。そこで、今回当院のICUとICUで働く看護師についてご紹介します。
≪ICUって?≫
ICUは、命の危険のある方、容態が不安定な方などに対して、危険な状態から回復することを目標に24時間厳密に観察や治療を行う場所です。患者さん2名に対して看護師1名を配置し、心臓手術などの大手術を行った直後や、脳卒中・心筋梗塞を中心とした様々な疾患により命の危機的状態にある患者さんを受け入れます。
当院のICUはベッドが6床あり、医師や看護師、薬剤師、栄養士やリハビリスタッフなど多職種チームで患者さんの全身管理を行っています。異常の早期発見と迅速な対応、早期回復にむけたリハビリテーション支援などの身体的サポートだけでなく、命の危機的状況にある患者さんやご家族が安心して治療に専念できるように精神的サポートも行っています。
≪ICU看護師って?≫
次に私達ICU看護師についてご紹介します。
ICUには毎日様々な疾患の重症患者さんが入室してきます。そのため看護師にも疾患だけでなく、治療で使用する医療機器や薬剤に関する専門的な知識が必要になってきます。そこでICU内で勉強会を実施したり、院内外の研修に参加することで、知識と技術のアップデートを目指しています。
また、看護師は多職種チームの中で患者さんと過ごす時間が最も多く、患者さんの抱える問題をタイムリーに把握することができるため、チーム内で情報を共有する際に多職種間の橋渡しを行い、問題解決に向けて迅速に対応することを心掛けています。
≪最後に≫
看護を行う上で特に大切にしていることとして挙げるのは、個別性のある看護を提供することです。ICUでは厳密な管理を行うために沢山の医療機器を装着して、昼夜を問わず検査や処置を行うことも少なくないため、患者さんは日常生活とはかけ離れた環境に身をおくことになります。そこで、私達は一人一人の患者さんに合わせた日常生活援助や療養環境を提供できるよう、患者さんのご要望や入院前の生活の様子、どのような人生を歩んできたかなどを伺い、看護に取り入れることを大切にしています。
ICUに入ることになったら不安を感じることもあると思いますが、患者さんが安心して治療を受けることができるよう、私達が全力でサポートしていきます。
病気のことは勿論、それ以外のどんな些細なことでも結構ですので、気になる事がありましたらいつでもICUのスタッフへお声かけください!