ファスティング(断食)って結局どうなの?!問題
※この記事は管理栄養士がファスティングを推奨するものでも否定するものでもありません。また、持病がある人は必ず主治医と相談すること。
こんにちは、
管理栄養士をやっていて、よくある質問の一つに断食があります。
ここで、
“ガイドラインでは記載されていませんのでわかりません。以上!”
は流石に空気が読めていないので…、調べてみました。
ファスティングのことを記載しているホームページで期待していること(真偽は不明)
- オートファジーにより免疫力UP
- 痩身、ダイエット効果
などなど。
医療現場での基準は
(文字が苦手な人は感想まで読み飛ばしてください)
肥満症診療ガイドライン(2022年)
- フォーミュラ食(180kcal/食 ビタミン・ミネラル・たんぱく質20g)を1日1食だけ食事と交換することで有効な肥満関連病態の改善を期待できる。(グレードB)
※完全な断食は危険として推奨されていない。
※(グレード)はガイドラインにおける推奨度合い
糖尿病診療ガイドライン(2024年)
- 糖質制限は130g/日程度で6~12か月以内までの短期間であれば(※グレードB)
※基本はエネルギー制限(※グレードA)をベースとしており、糖質制限をしたからといってエネルギー摂取を制限しない(好き勝手食べる)ことは勧められていない。
※中島の意見として断食行為が治療の副作用や低血糖を誘発するリスクがあるため、興味があっても糖尿病治療中は自己判断で実施してはいけない。
日本版重症患者の栄養療法ガイドライン(2016年 ※2024年改訂予定)
- 重症病態では消費エネルギーに対し摂取エネルギーを少し制限することが推奨されている(グレード2)。
※たくさんの栄養が高血糖やオートファジーの阻害(感染症の長期化など)を引き起こすと考えられている。
※重症病態から脱したときはfull feeding(しっかり栄養摂取)が推奨
アカデミックな報告としては
Obesityで発表された2022年の論文
一般集団(n=1768)を対象にした減量の研究をまとめたもので、交互断食、エネルギー制限、時間制限食の順で体重減少効果が高かった。
Cell Metabolisumで発表された2019年の論文
健康で肥満でない成人であればADF(隔日断食)は数か月実施してもよい。4週間のADFが体重を4.5%改善させ、筋肉量と脂肪比率を改善した。
感想
わかったような、わからないような。
そもそも病気治療の基準としたものでは、健康な人を対象にまとめたものが存在しない。
結論
結局わかないのでやった人は教えてください!
また、こういう研究報告があったよ、ということもコソっと中島へ報告してください。
個人的にはある程度食事を楽しみたいという考えから、しばらくファスティングをやる予定はありません。
※この記事は管理栄養士がファスティングを推奨するものでも否定するものでもありません。また、持病がある人は必ず主治医と相談すること。(とても重要なので2回書きます)
参考文献
(栄養を極めたい人はこちらも 英語論文はDeep LやChat GPTに助けてもらうといいみたいです)
- 肥満症診療ガイドライン2022
- 糖尿病診療ガイドライン2024
- 日本版重症患者の栄養療法ガイドライン2016
- Stekovic et al. Alternate Day Fasting Improves Physiological and Molecular Markers of Aging in Healthy, Non-obese Humans 2019. Cell Metabolism 30, 462–476, (2019).
- Paloma E et al. A meta-analysis comparing the effectiveness of alternate day fasting, the5:2diet, and time-restricted eating for weight loss. Obesity 31, Suppl 1:9-21, (2023).